ギドクる no.2
キドクの映画を観終わった後に、初めて幸せな気分になったのが、この映画だった。
この映画、どんな映画だったの? と問われたら、"驚くほど丁寧な映画"と答えてしまうかも。
"サマリア"や"春夏秋冬そして春"のときも思ったが、彼はあの風貌に似合わず、
とても神経質で几帳面な性格に違いない、と思う(きっぱり断言)。



d0083686_1553471.jpgこの映画、原題は"빈집(空き家)"だ。
で、邦題は"うつせみ"。
英題は、"3-iron"。
初めて邦題が一番しっくりくる映画だった(笑)。
原題はそのまんまだし、英題はこれまたストレートすぎ。あのゴルフクラブは3-ironだったのだと、タイトルを知ってわかった^^;
うつせみとは、辞書で調べると、
"せみのぬけがら。この世はたよりなくはかないということ。現世あるいは、現世の人の意。「世」「命」「かわれる身」「人」「むなし」などにかかる枕言葉"
と書かれている。キドクがラストに語りたかった内容が、このタイトルすべてに表現できていて、これはなかなかナイスな選択だと思った。


留守宅の空き家に進入して、生活をしている青年テソク。夫からの狂おしい暴力に悩む美しき人妻ソナ。互いに居場所がない二人が出会い、仮の棲家を求めてさまよう。
この映画は、この主人公であるふたりは、何も言葉を発しない。ふたりは存在するだけ。
人は言葉を持つと存在が現実化するが、言葉を発しないと存在すら曖昧になってしまうのだな、とこの映画を観て、感じた。この映画では"無言"も重要はファクターだ。
ただ、無言と言う手法は、北野武の十八番。よく観ると、少し類似する点もあるので、ちょっと影響されたかな、と思う部分も^^;

でもなによりも、アングルにしてもふたりの位置、背景、すべてがきちんと整っていて、ゆがみ
や無駄というものがまったく感じられない映画だった。すべてがギドク的に几帳面に並べられ
た映画。でも、個人的にはその几帳面さが、とても気持ちがよかった。
特に、ラストの体重計のシーンは、あまりの几帳面さに、美しくてため息が出た。
体重計が示す数字に、また、"うつせみ"な思いをめぐらせる。
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テソクを演じたジェヒに関しては、"快傑春香"(しかも、観てない・・・・^^;)のイメージしかなかったので、なかなか感慨深く観た。刑務所内での動きは、個人的にはかなりおもしろく、真似してみたりして(笑)。
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ただ、この文はいらなかったかな~と思ったり。これを書かずとも観客は思った気がするんだけど。そんなギドクがわかりやすくなったらダメさ(笑)。
It's hard to tell that the world we live in is either a reality or a dream.
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by tongkun | 2006-09-17 16:15 | 映画
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